Ciao! takaoです。
イタリアは日本よりだいぶ遅れ、2018年9月にミラノにスターバックス1号店ができました。ヨーロッパの他の国にはスタバはあったのですが、イタリアの市場には中々参入させてくれなかったのか、それ迄ずっとありませんでした。マクドナルドも他の国に比べて、イタリアに入って来たのは遅かったです。
参入こそ遅かったイタリアですが、スターバックスのビジネスモデルが生まれたのは、現在のスターバックスの創設者ハワード・シュルツ氏が80年代中ごろ、まだスターバックスの社員だった頃にイタリアに来て、イタリアの生活の中に入り込んでいるバール(BAR=カフェ)に感銘を受け、会社に戻ってこのようなスタイルのカフェを運営すべきだ、と提案したそうなのですが、却下されたので独立して自分でカフェをオープンし、それがうまく行ったので、最終的にスターバックスを買い取ったのだそうです。
コーヒーはイタリア人にとってとても重要な物ですし、イタリアのバールは他の国とは違った独自の文化を持っていて、かなり生活の中に入り込んでいるので、スタバができる前にうまくイタリアの市場に入っていけるのかどうか、色々予想を立てる人がいました。
私も自分なりに考えてみたのですが、そんなにたくさん作らなければうまくいくかなと思いました。

この前のブログにもイタリアのバールの事について書いたのですが、イタリアと海外のカフェ文化はかなり違います。また、イタリア人は自分たちの食生活に自信を持っている代わりに、他の国の食生活が入ってくることに対してとても保守的です。実際私がイタリアに住み始めた頃にはもうロンドンでもパリでも日本食レストランは結構あったのですが、イタリアにはまだそれほどなく、日本人は生の魚を食べるのかと不思議がられていました。
イタリア人は一般的に自分がよく行くバールというものを家の近くにも仕事場の近くにも持っていて、ゆっくり座って飲まない代わりに、1日に何度もバールに行きます。なので、スタバがイタリアで流行らないかもしれない理由として、イタリアではお店でゆっくりくつろげるスタバのコンセプトが合わない可能性がある、と言うことと、飲むコーヒーの種類が違うと言う事です。イタリアでコーヒーと言えばエスプレッソコーヒーのことです。果たしてこれがうまく受け入れられるか?
また、イタリア人は立って飲むだけあって、日本とは違ってテークアウトでコーヒーを買う人はほとんどいません。私はアメリカに初めて行った時に思ったのですが、イタリア人は結構モノの暖かさ、と言う事に思い入れがあって、コーヒーはちゃんとコーヒーカップに入れて飲むもの、と思っていると思います。イタリアでも紙コップはありますが、それほど頻繁には使いません。それなので、イタリアで普段コーヒーを飲んでいて、アメリカに初めて行って紙コップのコーヒーを飲んだ時はちょっと冷たい感じがしました。イタリア人は何に対しても人間の温かみがあるものが好きです。
逆に、受け入れられる可能性があるとすれば、あまり多くのお店で展開しなければうまくいくのでは、と思いました。海外によく旅行や仕事に行く人は、メンタリティーもオープンな人が多く、それほど保守的ではありません。そう言った人は当然スタバのことは知っているし利用の仕方も知っているので、彼らは活用するのではないかと思いました。また、イタリアの一般的なバールでないが故に、好奇心で来る人や、イタリア人の中にもゆっくりバールで時間を過ごしたい、と言う人もいると思うので、そう言った人を集客できるのではないか?と言うことでした。

それで、いよいよスタバがオープンしました。実際にオープンしたのは、一般的なスタバではなく、格が上のスターバックス・リザーブ・ロースタリー(Starbucks Reserve Roastery)で、中がとても広く、内装がとてもおしゃれです。ミラノのリザーブ・ロースタリーはシアトル、上海に続いて世界で三番目で、その後NY、東京、シカゴとできたそうです。トイレもおしゃれなので、いかれた方は是非行って見てください。
ちなみにこの建物、以前は郵便局でした。同じ広場の道を挟んでその向こうには昨年ユニクロがイタリアで初めてオープンしました。
お店の内装は、スペイン人でミラノをベースにしているPatricia Urquiolaがデザインしました。イタリア人も好きなスタイルの空間は、やはり多くの人を集め、お店がオープンしてから当分の間長い列ができていました。イタリア人は日本人の様にそれほどお店に並ぶことはないので、かなりの人気があったと言えます。
座席ですが、ここではあまり立って飲む人はいない様です。ゆっくり座って飲めそうな席もいくつかありますが、多くの席は高いテーブルに高い椅子で、一応座れはするが、そんなに長居はしなさそうなお店の作りになっています。

実際にはお店にはエスプレッソコーヒーもあり、イタリア人にあわせたスタイルのコーヒーが出されています。
お店に入ってすぐのところには、マグカップ、タンブラー、Tシャツなど色々なおしゃれなグッズも販売していて、それらを見るだけでも楽しく、ミラノ使用のグッズがほとんどなので、日本へのお土産にもいいと思います。
お店の中はとても広く、コーヒーの焙煎もしています。上の階にはカクテルラウンジもあります。
また、ミラノの有名な地元のパン屋プリンチの出来立てのパンも販売しています。いきなりスタバがイタリアに入ってくると言うことで、現地のお店も取り入れることで、地元の反発も少なくしようと思った様です。
このスターバックス・リザーブ・ロースタリーオープンのすぐ後、普通のスタイルのスタバがたくさんできましたが、それほど人は入っていないようです。

今では、ミラノの観光名所にもなっているスターバックス・リザーブ・ロースタリーでした。ミラノに来られる際は是非どうぞ。
Ciao!
STARBUCKS RESERVE ROASTERY MILANO
Piazza Cordusio 3, 21023 Milano
7:00 to 23:00 Sun to 22:00