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日本のランドセルはイタリアで売れる?

  • 2021-02-16
  • 2021-03-14
  • Italia
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Buongiorno ! 平成元年からイタリアのミラノに住んでいるtakaoです。イタリア情報をブログで発信しています。

日本の小学生にとってのアイコンともなるランドセル、このランドセルの思い出は結構みんな持っていると思います。わたしも叔父と叔母が小学校に上がる前にレザーの結構良いランドセルをプレゼントをしてくれたのをよく思えています。そのランドセルが私の覚えている人生で一番初めの革製品だったと思います。

で、このランドセル、海外では果たして売れるのでしょうか?それと、イタリアの小中学生の登下校中の荷物の重さについてのブログを今日は書こうと思います。

自己紹介のところにも書いていますが、わたしはミラノで年に2回開催される大きなバッグの展示会「ミペル」のコンサルタントや、ミペル内で行われている日本皮革産業連合会が運営しているジャパンブースの販売のお手伝いもしています。

そのジャパンブースでは、毎回約6つの日本のバッグブランドが出展しています。その中で、時々ランドセルを作っているブランドも出展しています。で、ランドセルは海外で実際に売れるのか? 

ランドセルはとても個性的な形をしていて、日本の小学生のほとんどが使っているので、日本好きな外国人は結構知っています。中にはランドセルをしている人もいるみたいですが、大人にはちょっと小さ過ぎるし、バランスは悪いですね…

このランドセル、値段は結構高いですが、かなりいろいろなことが考えたれていて、実用的だし、実際に作るとなるととても手間のかかるバッグです。ただ、ヨーロッパでそのまま販売しようとすると、ちょっと難しそうです。デザインの面白さ、色の美しさ(水色、赤、ブランドによってはそれ以外の綺麗な色もある)は目を惹くので、見ているバイヤーはいますが、販売まではなかなか辿り着きません。その理由ですが、一つは、先ほども書いたように大人が使用すると大人の体に対してランドセルはかなり小さくなるのでアンバランスなのと、もともと子供のためにデザインされたモノなので、どちらかというとかわいいバッグになってしまうので、大人には似合いません。

一方、日本同様子供に販売してゆくのはどうか? ここで一番の問題にるのは、ランドセルの重さです。最近のランドセルは軽量化が進み、結構軽くできてはいますが、素材がしっかりしていたり、入れるところもたくさんあるので、ある程度の重さになります。ランドセルで一番重い物は馬の臀部の革、コードバンを使ったランドセルです。コードバンというのは、きめの細かい艶のある革で、牛革の数倍耐久性に優れた丈夫な革で、値段的には結構高く、主にバッグや財布などによく使われます。このコードバンでできたランドセルだと大体1.3KGの重さがあります。

ランドセルを見て興味を持ったある国のお客さんが、ランドセルの重さを聞いてきたので、それを伝えると、我々の国の小学生は、バッグの重さと中身の重さの合計があるキロ数以下(はっきり何キロだったかは覚えていません)の重さでないといけない、と法律で決まっている、と言っていました。

また、価格的にも小学生に持たせるバックパックでランドセルほどの値段がすると海外では難しいと思います。日本では、ランドセルは小学生の使うバッグ、と当たり前のことになっているので、高くても買いますが、海外の人はその価値がわからないと思います。日本でのランドセルの価格は5万から9万円くらいのようなので、それを海外で販売すると、日本価格の最低6割増しにはなると思うので、海外に人はその価格の価値を見出せないと思います。

もう一つのバッグの重さの問題、これは先程の国だけでなく、イタリアでも大きな問題になっています。実際、イタリアの小学生、中学生はかなり大きなバックパックを持って学校に行ってます。荷物が多いだけでなく、バックパック自体も結構大きいので、中の荷物が固定されてず、余計持ち心地も悪く重く感じると思います。小学生の場合は親が学校まで送り迎えをしないといけないので、大抵の場合、親がバックパックを持っています。

リュックの重さは最高でも学生の体重の15%くらいまでで抑えるのが良いとされているのですが、実際に学生が持っているバックパックの重さは30%以上にもなるそうです。イタリア理学療法士協会の報告によると、6歳から10歳までの10人の子供のうち5人が、バックパックの過度の重量のために腰痛に苦しんでいるとのことです。国もこれを問題視していて、なるべく学校に教科書を置かせたり、あまり大きすぎないバックパックを使うようにさせたり、片方の肩だけにかけないように指導しているそうです。また、最近ではかなりの生徒がトローリーに荷物を入れて学校に行っています。

最近中学生が使っているトローリー

ということで、このランドセル。海外で販売するには、なかなか大変ですが、横幅を少し広げて厚みを抑え、もう少しデザインをシャープにして大人向けの機能を入れて販売すれば、まあ、そこそこ販売できるのではないか?と思います。実際ここ数年はリュックを背負ったビジネスマンは世界中で増えています。

Ciao !

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