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イタリア人と日本人の間で板挟みになったらどうするか?

  • 2021-01-11
  • 2021-01-11
  • Italia
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Buongiorno ! takaoです。

ここ10年ほど、私は日本とイタリアの会社の間に入って仕事をすることが多いのですが、この2つの国、先進国の中では対照的なことも多く、間に入って仕事をするのはなかなか大変で、同じ国同士だと問題が起こらない様なことでも、メンタリティーが違うことで問題になることがよくあります。

ただ、一概にイタリア人と言っても日本人よりももっと各々の考え方の幅が広いので、いろんなタイプの人がいます。また、イタリアでは中小企業が多く、特に家族経営の会社が多いので、会社によって社風も大分違います。

日本人だけの中で仕事をしたり、イタリア人だけの中で仕事をしていれば、それほど問題は起きないと思うのですが、イタリア人と日本人の間に入って仕事をすると、どうしてもいろいろと問題が起きてしまいます。

私は日本で学校を終えてイタリアに来ました。メンタリティというものは小さい時に形成されると思うので、ベースは日本人の考え方ですが、こちらに来て20年くらいはずっとイタリア人の中で仕事をしていたので、イタリア人のやり方や考え方もよくわかっているつもりです。両方の物の考え方や、習慣がわかるので、時にはどちらが言っていることも正しい、ということも起きてしまいます。そんな時は本当に大変です。なので、最終的には会社のメンタリティーが日本にあっているところとなるべく仕事をする様にしたほうが問題が少なく仕事が進みます。そんなに簡単ではないですが…

問題点、例えば不良品、私はイタリアの洋服、バッグ、シューズなどを日本のお店にエージェントとして販売したり、その逆、日本からヨーロッパに販売したりすることもあるのですが、日本の品質コントロールはかなり厳しいです。普通の場合、不良品が出ると、お客さんに対してお詫びをすることが普通なのですが、お客さんからよりも、メーカーからの方が強く怒られます。「なんで不良品が出るのはお前の客からだけなんだ、他の国からのクレームは全くきていない」と。メーカーとしては全世界に販売しているのに、日本からだけ不良としてクレームがつくのはおかしい、ということになるのです。

日本人はやはり細かいところまで気にする人が多いので、それはしょうがないですね。最終的には日本の市場で売れないといけないので、毎回大変ですが、その都度交渉して、最終的には不良にしてもらう様にしてもらいます。ただ、まだ人間関係ができないない時にそれを認めさせるのはなかなか大変です。なので、普段からメーカーと人間関係を作っておかなければいけません。常日頃からメーカーの気持ちにもなって、きちんとした仕事をしていると自然にメーカーとも信用関係ができて来るので、無理を言っても文句を言いつつもいうことを聞いてくれます。

ただ、イタリア人はかなりしたたかなところもあるので、自分の立場的をあまり弱くならない様にしておいた方が仕事もスムーズに進みます。私の様なエージェントの場合、お客さんがメーカーに商品代を支払い、メーカーから私にコミッションが入ってきます。そうすると、私にお金を支払うのはメーカーになってしまうので、メーカーに対しての私の立場が弱くなってしまいます。一般的な仕事ではできませんが、よく知っているお客さんの場合、お客さんにメーカーからいくらコミッションをもらっているか伝え、コミッションはお客さんの方からもらう様にしています。そのほうが、メーカーに対して交渉もしやすくなります。

2つの別々の国が一緒に仕事を進めていく場合、必ずどこかでズレが出て来ることがあります。そう言った場合、最終的に人間関係が構築できていたら問題が出てきても解決することができると思っています。

一点、日本の購入者に知っておいてもらいたいのですが、イタリア人に限らず海外の人は最終的にはみんなしたたかです。面倒であまり効率の良くない仕事や割に合わない仕事になると、やはりメーカーも続けて仕事をやりたくなくなってしまいます。特にイタリアのファッション業界はこれまで日本の市場から大きな恩恵を受けてきているので、日本人に対するイメージはとても良いです。

しかし、昨今の日本はどんどんオーダーの量が減ってきていているのですが、これまで通り、いや以前にもまして、オーダーも仕事も細かく、検品も厳しく、時間にも厳しいです。他の国の購入者はどれに対しても日本よりメーカーに対して好都合のオーダーで出しています。

イタリアなどの国は世界の国々から仕事が取れるので、あまり条件的に合わない仕事だと、離れていってしまう可能性もあります。全ての条件をメーカーに合わせることはありませんが、なるべく細かい仕事にならない様にとか、オーダーの数を少し上げて工場の効率をもう少し上げてあげるなどしないと、いくらメーカーがこれまで日本のお客さんによくしてもらったと思っていたとしても、仕事が続かなくなってしまう可能性があります…

Ciao !

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