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オーストリアで飛び込み営業 4 ウィーンでの営業活動とヨーロッパでの商習慣の違い

前回のブログの続き

ウィーンでは1泊2日の短い滞在だったが、初日の午後と2日目の昼過ぎまでを使って、事前にリストアップしていた11店舗と、営業中に見つけた数店舗を回ることができた。アポイントを取っていたにもかかわらず、直前でキャンセルとなった店、高齢のオーナーが引退しすでに閉店していた店、そしてインターフォン越しに「興味がない」と断られた店もあったが、それ以外の店舗ではすべて商品を見せることができた。

忙しい中でも、実際に商品を手に取って見てもらえることは非常にありがたいことである。ヨーロッパでは、現場で直接バイヤーと会い、リアルな反応を得ることができるが、日本ではそうはいかない。過去に日本でも何度か営業をしたことがあるが、商品を見てもらえる機会は極めて限られていた。

特に日本のセレクトショップはチェーン展開しているところが多く、現場にバイヤーがいないことが一般的だ。そのため営業活動が難しく、私としてはヨーロッパのほうがはるかに営業しやすい環境だと感じている。

ヨーロッパで営業をするメリットの一つは、たとえオーダーにつながらなかった場合でも、バイヤーから現場目線の意見をもらえる点である。どこが良くてどこが課題か、リアルな声を直接聞けるのは非常に貴重で、その意見を次回の改善につなげることができる。

今回の営業で、数店舗興味を持ってくれたお店があるので、これから継続して営業する予定だ。

私は現在イタリアに住んでいるが、残念ながら今のイタリア経済は非常に厳しい状況にあり、多くの店が売上不振に悩んでいる。商品を気に入ってもらっても、なかなか購入には至らないことが多く、特に支払いに関しては慎重になる必要がある。

「デポジット30%、納品前に残金70%支払い」という条件を守れない店舗とは取引しないと決めている。10年ほど前までは、気に入ってもらえれば前払いで購入してくれる店も多く存在していたが、今はそのような支払い条件では店をやって行くのが大変らしい…

そうなると、単に有名なお店に営業するということよりも、「どこの国で販売するか」ということのほうが重要になってくる。実際、先月はパンツブランド「EMINENTO」の担当者と共に、PITTI UOMOの前にドイツ・ミュンヘンとフランクフルトで営業を行った。訪問した店舗では商品のクオリティを高く評価してもらえ、すぐにオーダーにつながった上、前払いも問題なくスムーズに進んだ。

これまでメーカーの希望でPITTI UOMOの後にイタリアの店舗を訪問していたが、今年1月からはスケジュールを変更し、展示会の前にイタリア以外の国で営業するよう方針を転換してもおらった。この変化により、実際に成果が見えてきており、今後も戦略的に営業の場所とタイミングを見極めていく必要があると感じている。

終わり

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