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ミラノ昨日から外出できるようになりました!コロナ禍のイタリアの現状

  • 2021-01-25
  • 2021-01-25
  • Italia
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Buongiorno ! takaoです。

ミラノのあるロンバルディア州は昨日(1月23日)からまたコロナの危険度がレッドゾーンからオレンジゾーンになり、外出ができるようになりました。レッドゾーンは同じ自治体の中での移動も禁止ということになっていますが、昨年春の完全外出禁止の時とは違い、ちょっとした散歩や移動はできるようです。ただ、同じ色のゾーンでもルールがよく変わるので、常に注意して情報を得るようにしておかなければいけません。

先日コロナに関するイタリアの情報をあるセミナーで紹介したので、せっかくなので、その時のレポートを紹介したいと思います。

ちょっと長いですが、よかったら読んでみてください。

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イタリア、日本の感染者状況 1月25日現在

現在感染者数 イタリア 491,630   日本 62,230

新規感染者数 イタリア 8,561    日本 2,762

新規死亡者数 イタリア 420     日本 74

累計感染者数  イタリア 2,475,372  日本 368,561 

累計死亡者数  イタリア 85,881   日本 5,193

コロナ感染者がかなり多いので病院が足りなくなり、春の第一波のころからミラノの展示会場を利用してコロナ専用の病院にしています。

ミラノ及びイタリアでのコロナ感染の流れとその規制

2月の初めは中国やアジアが危険と言われており、他人事のように思われていた。アジア人に対する風評有り

・2月の中 ちょうどミラノのバッグの展示会開催中、感染者増大

日本の大手デパートのバイヤーは、イタリアでの買い付けをキャンセルしていた。感染しない為ということもあるが、アジア人ということで、ヨーロッパに来て問題が起きないように、ということが主な理由

・その1週間後 ファッションウィーク中、ミラノのあるロンバルディア州で感染者が急に増えてきた。ファションウィーク最終日とヴェネツィアのカーニヴァルが途中で中止に。スーパーマーケットで肉や牛乳がなくなっていた

・2月22日 イタリア北部のある自治体を封鎖

3月7日 イタリア政府は緊急事態法令を発表。これまで封鎖されていた自治体以外にミラノのあるロンバルディア州他4州を封鎖

・5月4日 経済活動再開

・7月初め    ヨーロッパ内の行き来が自由化

・夏にはかなり落ち着き8月の初め頃には日本よりも1日の感染者も、その時点で感染している人の総数も少なくなった日もある

・8月半ば ヴァカンスでスペイン、ギリシャ、マルタなどから帰ってきた特に若者が感染

・9月 感染がまた増え始める

・11月6日 再度規制が始まり、これからは色(レッド、オレンジ、イエロー)でコロナ感染危険度を表す様になる

この頃からイタリア全土で22時から翌朝5時までの夜間外出禁止令が出ており、これは現在でも続いている ミラノはレッドゾーンになり外出禁止

・12月初め ミラノはオレンジゾーンになり、外出可能になる。その後イエローゾーンになり、レストランも再開

・12月24日 クリスマス、年末年始に感染者を増やさないため、クリスマスイブから祝日の1月6日まででがレッドゾーになり、その中で人の移動やパーティーなどが少ない4日間だけがオレンジゾーンに

その後、1月7日、8日はイタリア全土イエローゾーン、9日、10日の土日が全土でオレンジ、ミラノはそのままオレンジが続き、1月17日から再びレッドゾーン

ゾーンごとの規則

色で分けられたゾーンごとの規制は、色が同じであれば規制が行われる期間が違っても大まかな内容は同じだが、細かな規則はその都度変更する

第1回目のロックダウン

(まだ色別の危険度を表すゾーンがなく、イタリア全土のロックダウン)

完全ロックダウン、外に出れるのは週1から10日に1度の生活必需品の買い物の時だけ。あと犬を飼っている人はその散歩。それ以外の外出は健康に関する事のみ。

他の国のロックダウンよりも規則がかなり厳しかった。フランス、イギリスなど、他の国ではある時間帯は外出できたり、規則を守らない国が多かったらしい。

前後左右1mのソーシャルディスタンスもかなり守られていたが、現在はそうでもない

レジに人を並ばせないようにしていた。今はそうでもない。

レッドゾーン(クリスマス時)

・**外出時自己申告書の携帯

・同じ州であれば、友達・親戚の家に行っても大丈夫

車で移動する際の人数は二人まで、訪問先は1日1ヶ所まで。

・同居人以外で招待できる人の数は二人まで

・飲食店 持ち帰りサービスのみ営業可能

・小売店・エステなど営業禁止

・スポーツ、野外で単独であれば大丈夫

14歳以下の児童、障害者は数に含まれない

オレンジゾーン

・自治体を越えての移動は禁止

・人口5千人を超えない自治体から30kmを超えない範囲での移動は、県都への移動を除いて可能

・飲食店 持ち帰りサービスのみ営業可能

・小売店、21時まで営業可能

イエローゾーン

・飲食店 5時から18時まで営業可能。及び22時まではテイクアウト可能。

1つのテーブルで四人まで座ることができる

注)イタリア人がレストランで食事を始めるのは21時

コメント: 日伊経済連合会会長 ディサント・ダニエレ 氏

日本の緊急事態宣言はイタリアの「イエローゾーン」よりもはるかにやさしい「自粛のお願い」だと感じている

**外出時自己申告書

国が用意した外出時自己申告書に自分の名前、生年月日、住所、身分証明書番号、電話番号、それに外出目的、行き先、外出時間、サインを記入し、外出時には常に携帯しないといけない。

現状のルール

外に出る時には必ずマスクを着用。着用していない人はいない。(コロナ前はマスクするイタリア人は一切いなかった)

お店に入る時には熱を測られる。消毒をしないといけない。

1m間隔のディスタンスを開ける。(現在はそれほど守られていない)

ワクチン

2020年末(12月27日)からワクチン接種が始まった。現在は1週間に47万のワクチンを打つ予定にしている。2億1500万のワクチンを現在押さえてある。日本の様子を見ていると、まだワクチンを打ちたくない、という人が多いように思うが、イタリアの私の周りではそれほど接種したく無いという人はいないように思う。ワクチン接種をし無いので、罰則を受けるということはない。

補償及び支援

レストラン

州などによっても違うが、飲食業界は今年の春から何度も厳しい規制がかかっているため、政府はかなりの補償をしてる。その時期によって補償は違うが、知り合いのミラノのレストラン経営者に聞くと、自宅待機スタッフの給料60%、税金の減額、家賃半額補償、商工会議所からの運転資金補助、銀行からの30,000ユーロ(約380万円)上限の低金利貸付、イタリア産プロダクト購入のみ30%返金。光熱費の割引。秋からは売り上げがないレストランのみへの補償。現在はこのレストランでは何も保証がない。

フリーランス販売エージェント

4月、5月頃2度にわたって600ユーロの補償支援。

4月の売り上げが、前年よりもかなり少ない場合、1000ユーロの補償があった。(私は対象外)

国が保証人となった低金利貸付、条件は前年売り上げの25%までの融資、ローンの最長期間は72か月で、初めの2年間は利息のみ返してゆけば良いので、実質後半の4年間で返済できる。

イタリアはお国柄、こういった補償の申請をしてもなかなか出ないのが普通だが、今回に関してはかなり早いスピードで補償があった。

イタリア人の精神的な変化

中国で多くの感染者が出て、まだイタリアでの感染者がそれほどいない頃

イタリア人はそれほど人種差別をする国民ではないが、アジア人、特に中国人はレストランに入れてもらえないなどの風評被害があった

初めてのロックダウンがあった頃、結構長い間みんなすごく決まりを守っていた。イタリア人としては珍しい

ロックダウンが終わり、ヨーロッパに行き来ができる様になる頃には、飲食ができるようになっていた。レストランの中に入れる人数は決まっていたが、外での人数の制限がなかったので、多くの人が密集していた。長いロックダウンもあり、暖かくなったことで開放的になり密になってもみんなそれほど気にしなくなっていた。

8月のヴァカンスが終わり、9月になって仕事が始まり、また多くの感染者が増え始めた頃、夏の開放的な気分は少しなくなり、また注意し始めた。しかし春ほどではない。

現在は、長く続く外出禁止令や、レストランの規制、それにいつ終わるか分からないコロナ問題で、人々はかなり疲れ始めてきている。

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・ビジネスは回っているのか?飲食店などが倒産したりしていないか

14万5千社が倒産のリスクを抱えている。2020年のイタリア企業の損失は3,620億ドルと言われている。

2019年よりも13.8%減。しかし国や銀行の支援などでまだ倒産までに至った会社はそれほどない。

2020年の2月から9月までの倒産件数は4670件で1000年に比べ41%少ない。

・コロナで悪影響を受けた業種

最大の損失を挙げている産業は展示会や会議などの運営会社で前年比-80%、それに続いて映画館-79%、

航空会社、ホテル-60%。その他の多くは旅行関係の産業の落ち込みが激しい。

・売上が伸びた業種

医薬品専門企業(24%増)、オンライン販売業(21.1%)研究所、薬局、衛生用品の企業(12.8%)、安全のための保護服の工場(11.9%)、ガラス製造企業、パスタ製造業(7.6%)、医薬品原料(6.9%)、作業服包装会社(6%)、食品流通(5.9%)、小売業の会社食品(5.8%)と米(5.6%)

・周りに感染者がいないか?会社や学校の現状や患者の数はどうか?

最近知り合いや、その親戚などかかったという人をよく聞く様になった。周りにかかった人がいても驚かないくらい。

長い間の外出禁止もあり、最近は幾分新規感染者が減ってきたようです。ただ、またみんなが動き回ると感染者がすぐに増え始めてしまうので、これからも注意が必要です。

昨年ほど酷くはならないと思いますが。夏までは感染者が増えたり減ったりの繰り返しが続くと思われます。秋頃には少し落ち着いてほしいものです。

Ciao !

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