Buongiorno ! 平成元年からイタリアのミラノに住んでいるtakaoです。イタリア情報をブログで発信しています。
日曜日のパスクワ(イースター)そして昨日月曜日のパスクエッタも終わり、今日からまた週が始まります。ミラノはまだ外出禁止令でていますが…
この1、2週間YOUTUBEを見ていると、10分程度の番組でも何度も何度も流れるコマーシャルがありました。映画のような作りの結構面白そうなコマーシャルなのですが、10分もある長い宣伝なので、なんでこんなに同じものが流れるんだろう?と思っていました。
それで今日その理由がわかりました。今日はカルボナーラ・デーだったのです。それに合わせての宣伝だったみたいです。ちなみにこの宣伝をしていたのはパスタメーカーのバリッラ(Barilla)。
毎年この時期には日本に帰っていたので、知らなかったのですが、この「Carbonara Day」(カルボナーラ・デー)は2017年にpastai di Union food と Ipo (Intrnational Pasta Organization) によって始められ、今回で4回目になるそうです。 We Love Pasta
今回は私も好きなこのカルボナーラについて話そうと思います。ただ、いくつかの資料で調べて見たのですが、いつ頃このパスタが生まれたのか、正式なレシピは?など、いろいろな説があるので、その中から大体一般的に話されているものを紹介しようと思います。
私がイタリアに来て一番印象に残っているカルボナーラは、イタリアに来てから3、4年くらい経ってでしょうか?ミラノのブレラ地区のあるレストランで頼んだものです。多分それまでは私の好きな「イタリアのカルボナーラ」はイタリアでも食べていなかったのだと思います。味が濃くコッテリしてグアンチャーレのカリッとしたカルボナーラは今でもよく覚えていて、いつも自分で作るときにはあの時のカルボナーラに近づけようと思っています。
なぜカルボナーラ(Carbonara)と名前がついたのか?
イタリアでカルボーネ(Carbone)とは石炭、炭と言う意味です。諸説ありますが、石炭を作る炭焼き職人がレシピを考えた。カルボナーラには黒い胡椒を使うので、その胡椒をカーボンに見立てた。など、大体どれも炭に関係があるものばかりです。
いつ頃からカルボナーラは食べ始められたのか?
カルボナーラはイタリアでは代表的なパスタで、さぞかし昔からあるように思う人も多いかと思いますが、実際にこのパスタが生まれたのは、第二次世界大戦後なのだそうで、1952年よりも前に記録されたレシピにはどこにも残っていないそうです。
一番初めにカルボナーラが書物に紹介されたのは、なんとアメリカのジャーナリストPatricia Brontè がシカゴのレストランガイドブックでristorante Armando’sのメニューにカルボナーラを紹介したものなのだそうです。
一方、イタリアで一番初めにカルボナーラが書物で紹介されたのは、雑誌La Cucina Italianaの1954年8月号だとか。
生クリームは使うのか?
イタリアでカルボナーラを食べたことのある人はよくご存知かと思いますが、日本のカルボナーラとイタリアのカルボナーラはかなり違います。もうここ何年も日本でカルボナーラを食べていないので、少しは変わっているかもしれませんが、日本のカルボナーラはたくさんの生クリームが入っていて、薄切りベーコンが入っていて、色も白っぽいイメージがあります。
一方、イタリアのカルボナーラは、卵の黄身、チーズの味が強く、四角いベーコン(グアンチャーレ)がカリカリに焼いてあり、スープっぽさは全くありません。その上に乗っている黒胡椒もこのパスタの味を引き立たせます。
調べてみると、カルボナーラのレシピも色々あって、生クリームを入れるレシピも以前にはよくあったそうです。その一つの理由として、第2次世界大戦が終わって間もなくカルボナーラが広がったのですが、その時のレシピに使われていた卵が、当時アメリカ軍から配給されていた粉卵だったので、それを滑らかにするために、生クリームを入れた、と言う説があります。
以前イタリアのYouTubeでカルボナーラの作り方を見たときに、生クリームはカルボナーラを作り置きしておくレストランがパスタを乾燥させないために入れているためで、作ってすぐに食べるときには必要ない、と言っていました。
イタリアは160年前まで統一されていなかったので、一般的にイタリア料理は地方によっていろいろな食べ物や食べ方があり、イタリア料理の作り方も様々なのですが、私がイタリアに来て教わったレシピには生クリームは入っていませんでした。
レシピ
私が習ったり、レシピの本でよく見る材料は、グアンチャーレ(塩漬けした豚の頬肉の脂身)、ペコリーノ・ロマーノチーズ、黒胡椒そして卵の黄卵です。生クリームは入っていません。
ただ、いつもレストランで食べるカルボナーラのようにならないので、やはりこの2つは重要なのだと思います。で、卵ですが、人によっては卵一つ白身もそのまま入れる人、卵1つ+黄身だけ、黄身だけ入れる人などがありますが、私はこってりしたのが好きなので、黄身しか入れません。
レシピもいろいろな紹介がしてあって、前にお話ししたように、時代や作る人によっていろいろ変化もしてくるので、自分で作ってみて、一番美味しい作り方が良いのではないでしょうか?
Ciao!
第二次世界大戦後、イタリアにいたアメリカ兵はベーコンや卵をたくさん持ち込んでおり、イタリア人シェフがこれらの食材を利用してパスタを使ったことからこのカルボナーラが生まれた、と言う説もあります。先程のバリッラのコマーシャルビデオはまさにその時の様子が伝えられています。