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ミラノは実はヴェニスの様だった

  • 2020-06-02
  • 2020-10-11
  • Milano
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Ciao! takaoです。

私がこれまでミラノに住んだ中で一番長く住んでいる地区は、ミラノの中心ドゥオーモから南西、地下鉄の駅で言うと緑のラインのPorta Genova駅界隈です。この駅から歩いて3分のところにミラノで有名な運河、ナヴィーリ(単数形ではナヴィーリォ)があります。運河は2つに分かれ、南南西に向かうナヴィーリォ・グランデ(Naviglio Grande)と南に向かうナヴィーリォ・パヴェーゼ(Naviglio Pavese)の二つがあります。

ナヴィーリォグランデ

ミラノに来て一番初めに住んだ場所はナヴィーリォ・パヴェーゼのすぐ近く、しばらく少し離れたところに住み、それからナヴィーリォ・グランデに8年ほど、今も少し離れていますが、この辺りからそれほど離れていない場所に住んでいます。一時期、この辺にアトリエ兼ショールームを10年間持っていたこともあります。なぜか私はこの一帯が好きなのです。シックなゾーンというよりは、美術館や展示会場、面白いお店もあって、常に何か面白いことが起きている場所だと思います。

また、ミラノで3カ所飲み屋の集まったエリアを聞かれたとすれば、一つはシックなブレラエリア、もう一つはアルコ・デッラ・パーチェ(城門)の近く、そしてこのナヴィーリが思い浮かびます。私が行くとしたらやはり当然このナヴィーリ界隈が一番多いです。ナヴィーリォ・グランデにもナヴィーリォ・パヴェーゼにも運河に沿ってたくさんの飲み屋やレストランが集まっています。歩行者天国になっていて、道にも席が設けられています。

なぜこの辺りが好きなのか?長い間わからなかったのですが、ミラノに来てから10年後に初めてトリノに行ったのですが、このトリノはミラノと同じでイタリアの北部に位置し、どちらも工業が盛んな大きな街なので、なんとなくミラノににている雰囲気が私の中であったのですが、トリノに行った時に何かミラノよりも雰囲気が好きだったのです。初めはなぜだかよくわからなかったのですが、あとで考えてみると、トリノにはポー川が流れていたのです。ミラノには川がなく、数少なく水が見れる場所の一つがこのナヴィーリ地区なのです。なぜ川があった方が好きなのかも考えたのですが、日本は島国なので、大体どこに行っても海がわりと近くにあるし、海がない場所でも結構川があるのです。つまり日本人は常に水に囲まれた生活をしているのです。ましては私の出身の広島には6つの川が流れています。川がある場所というのは建物などがない空間が広がっているし、川の流れもあって気分を落ち着かせてくれます。で、ミラノは川こそないですが、まあこのナヴィーリで満足しているのかもしれません。

この運河、今ではこのナヴィーリ界隈とその反対側にあたるドゥオーモの北東に残っていて、それ以外目立った運河はありませんが、ミラノは100年前まで街のあちらこちらに運河が流れていて、ヴェニスを思わせる様だったそうです。運河の設計にはあのレオナルド・ダ・ヴィンチも参加しています。しかし20世紀前半までに運河のほとんどが埋め立てられました。

ナヴィーリォ・グランデ ミラノ郊外の小さな街ガッジャーノ(Gaggiano)

この運河の建設は、ミラノの南部にある修道院ではもうすでに10世紀ごろには始められ、本格的な工事は12世紀から19世紀まで続き、ミラノ北部にあるマッジョーレ湖、コモ湖、それにティチーノ川の水をミラノの中心に引いてきていました。 ナヴィーリォ・グランデは、ミラノの大聖堂ドゥオーモの建設にも大きく関わっています。ドゥオーモ建設に使われた大理石は、イタリア北部、スイスに近いカンドーリアで採掘され、まずはティチーノ川を下り、長さ約50キロ、標高差33メートルを利用したこの運河を使い、ダルセナ(Darsena)まで運ばれていたのです。この方法が、ドゥオーモの大理石を輸送する最も速くて安全な方法でした。ナヴィーリォ・グランデは、ミラノの貿易、福利、経済力、の発展にとってとても重要でした。また、ミラノへの敵の侵入を阻止することにも使われました。

ダルセナ

ダルセナはナヴィーリォ・グランデとナヴィーリォ・パヴェーゼの二つがぶつかったところで、船着場として、商業河川交通の最も重要なハブでした。端から端まで、長さ750メートル、幅25メートル、深さ1.5メートルの ダルセナ・ディ・ポルタチチネーゼは、もともとはミラノ運河を通過するボートが輸送する商品の積み下ろしエリアとして機能していました。1979年3月30日にアルトミラネーゼの採石場からミラノに砂利を運んだボートがナヴィーリオ・グランデを下り、ダルセナに入ったのを最後に、何世紀にもわたった運河の商業輸送の歴史に幕を閉じました。

このナヴィーリ、正直、昔は水があったと言っても結構汚らしい運河だったのですが、2015年ミラノエクスポに合わせこの界隈はとても綺麗になりました。最近は暇があったらこの界隈を散歩しています。 

昼間は散歩、夜は一杯、歩行者天国になっているので、のんびりと歩くことができます。ミラノに来たら是非一度!

Ciao!

毎月第4日曜日に行われるアンティークマーケット

ナヴィリオのアンティークマーケット

Mercatone dell’Antiquariato sul Naviglio Grande

Place: Naviglio Grande

メトロ2号線Porta Genova駅から徒歩3分  

毎月一番最後の日曜日にはナヴィリオグランデでアンティークのマーケットが出て、アンティーク家具や、雑貨、服、古本などが販売されており、多くの人で賑わいます。

毎月最終日曜 9:00頃~18:00頃 

12月は第2日曜日

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