一体どんなブランドが海外で売れるのか?スタイル編
私はイタリアで1990年代年初めからファッションの仕事を始め、2004年から4年間ミラノでヨーロッパの新人デザイナーを集めた展示会を、2012年からメンズファッションの見本市PITTI UOMOで日本の6ブランドを紹介したり、その後もイタリアで行われるバッグやシューズの見本市内のジャパンブースでの販売促進などを手伝ってきているが、残念ながら日本ブランドを海外で販売して行くのはなかなかハードルが高い。
もともと私はレディースファッションの仕事を長くしていたので、日本のブランドを紹介しようと思った時、自然のながれでレディースブランドを紹介するつもりだった。日本のファッションウィークや、いろいろな展示会で海外で販売できそうなレディースブランドがないかと色々みて回ったが、残念ながらヨーロッパで販売できそうなブランドは見つからなかった。
ヨーロッパと違い、日本のファッションウィークはレディースもメンズも同じ時期にコレクションを発表しているので、レディースブランドを探していたが、メンズブランドが気にかかった。メンズの方がヨーロッパで販売するのは良いのではないかと。
それで、メンズブランドの責任者と話をしてみると、時々海外から販売させて欲しいと連絡があるとのこと、 やっぱり…
ではなぜ日本のレディースブランドの販売が海外で難しいのか?
日本人女性の好む可愛らしい洋服は、日本人が着ているとよく似合っているものの、それを体格の良い欧米人が着て似合うのか? 実際、ヨーロッパの女性にこのことについて聞いてみても、「日本人が着ているととても可愛いけれど、私たちが着たら似合わない」という人が多い。可愛いけれど自分たちが着る服ではないと思っている。
1997年から3年間ミラノで小さなレディースのオーダーのお店をやっていたことがあるが、イタリア人女性に仮縫いでネックラインをどうしたいか聞いてみると、ネックラインをどんどん広げてくれと言ってくる。ヨーロッパの女性は可愛くみられるよりも、セクシーにみられたいのだ…
あと、日本のレディースウェアは化学繊維を使ったものがヨーロッパに比べ多いように思う。最近では新しい化学繊維もたくさん出てきて、ヨーロッパでも以前よりも化学繊維の需要が増えたと思うが…
一方、日本のメンズがなぜ売れると思ったか、特にヨーロッパに住み始めた時にそう思ったのっだが、遊びごころのあるメンズファッションがヨーロッパには少ないと思う。ヨーロッパのメンズファッションは型にはまった定番アイテムがほとんど。それでも、最近ではヨーロッパのメンズファッションも大分変わってきたが…
あと日本のメンズファッションはとてもマニアック、自分なりのファッションをつきつめてたどり着いたファッションが多いと思う。そう言ったファッションはヨーロッパでも共感を呼ぶ。
日本のレディース、市場のことを意識しすぎたファッションではなく、日本のメンズファッションのようにもう少しマニアックなものづくりをしたら面白いものができるのでは…
Ciao !