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イタリアと日本、不良品の解釈の違い

  • 2023-10-06
  • 2023-10-06
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イタリアのメーカーと日本のお店の間に入って仕事をしていると、様々な問題が起きる。
イタリアと仕事をされている方はどの問題も大体想像がつくと思うが…

納期の問題、人的ミス、その中でも厄介な問題は不良品の解釈の違いだ。今回はこの不良品の解釈について書いてみようと思う。

まず初めに言っておくが、必ずしも不良と言われる製品を作ったメーカだけが悪いとも限らない。

私はイタリアのブランドを日本にも販売しているが、普通不良品がでた場合、エージェントである私は日本のお客様から叱られるのが当然だ。イタリアと長く商売されているお店はもう慣れたもので、不良品があったとしても、その報告とその不良についてのディスカウントもしくは返品のリクエストを私に連絡され、私はそれをメーカーに知らせる。その時、日本のお客様からひどく怒られることはめったにない。

不良品が出て私が怒られるのは、お客様からではなく逆にメーカーの方からなのだ…
「なんで他の国からは同じ商品のクレームが一切ないのに、日本だけ不良になるのか?」と…
正直なところ、その不良品を私が見ると、私でも不良品だと思うことは多い。日本人以外の人達はあまり細かいことにこだわらないのだろう…

「日本人やスイス人はとても正確にものを作る」と日本人も自負していると思うし、これまで長い間日本の製品は壊れにくく緻密なものということで、日本の製品は海外で人気があった。それは我々の先輩たちの弛まない努力で得た信用だ。それがあって私達のような現在海外にいる日本人の評価も高くなっているのだろうし、先輩達に感謝しなければいけないと思う。

ただ、日本人の細かさは、時々海外の人から見るとそれが行き過ぎていたり、日本人が良しとするレベルのものを海外に求めると、価格もかなり高くなってしまう。ちゃんとしたものを作るには当然時間も多くかかるしそれ相応の技術も必要だ。

80年代のように日本の景気が良く、大量にものが売れた時代なら、売り手であるヨーロッパのメーカーも日本人は細かいが、お金になるから日本人が言う通りにやろう、と思うだろう。しかし、海外で仕事をしていて思うのは、現在の日本のおおきな問題は、完璧なものをもとめ、オーダーはこまかく、少ない購入数、そのうえ値段は高いと困る、だ…  海外のメーカーは日本からのオーダーを面倒がっていることも残念ながらある… 国によってはオーダーが多く価格の問題もなく、あまり細かいことを言わないというところもある。

日本の消費者が細かいのは知っているので、私もなるべくお店の要望をメーカー側に通すようにするが、たまにとても不良品とは思えないようなものが返品されることがある。特にレザーグッズでそう言ったことが多い。生地は産業製品なので、機械で織ってちゃんとしたものが上がってくるが、革は動物からとるものなので、それぞれの革は個性があり、当然、中には他とは少しだけ違うような場合もある。最高級品ならレザーの一番良いところだけをとり、気になる部分は省くことができるが、そこまで価格の高くない商品は微妙に表情が違う部分も使用しないとメーカーの採算が合わなくなる場合が多い。

ちゃんとしたものにはきちんと正当な金額を支払うという習慣もつけていけないといけないと、世界から見て日本の基準だけ別、ということになってしまう…

Ciao!

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