今回はThe Japanese Veniceのヴァレンテイーナとイマノルに先日終わったばかりのヴェネツィア映画祭について書いてもらいます。と言っても今回は彼らは映画の専門家に解説をしてもらったようです。
イタリア人が見た日本の映画についての評価、どんな評価か興味津々です!
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Ciao fioi! (ヴェネツィアの方言で「皆さんこんにちは」という意味)
ヴェネツィアからヴァレンテイーナとイマノルです!
数日前にヴェネツィア映画際は終わりましました。

今回は、私たちの友人で、映画愛好家のルドヴィ―カ・ウンガリに、今年のヴェネツィア映画祭はどうだったか、特に銀獅子賞(監督賞)を受賞した黒沢清監督の「スパイの妻」について解説してもらいました。
それでは、ここからルドヴィ―カに解説を任せましょう、では、皆さん、楽しんで彼女の解説を読んでください!
あっ、それと彼女のインスタページ「Lacinepresa」も是非フォローしてみてください!


解説:ルドヴィ―カ・ウンガリ
「映画祭終了から2日後の9月10日(木)、ヴェネツィア映画祭のコンテストの公式映画セレクションで発表された、黒沢 清の映画「スパイの妻」の上映会に行ってきました。
今年の映画祭は、すべての観客が常にソーシャルディスタンスを保ち、参加者全員の安全を確保できるようオーガナイズされていました。したがって例年とは違い、今年はチケットを事前予約する必要がありました。
私はこの日本映画と、ホライズン部門のコンペティションで、ウベルト・パソリーニ監督によるイタリア/イギリス映画を見ることにしました。1日にさまざまなセクションから好みに応じて、3つまたは4つの映画を見ることができます。
ヴェネツィア映画祭開催中、会場で映画を見るのはとても刺激的です!映画は世界初公開でオリジナルの言語で放映され、会場にいる人々はみな映画に対する大きな情熱で結ばれています。
また、会場にいると、他の観客との映画という興味に対する所属意識、共有を分かちあうことができます。
この映画祭では、小規模な映画で、内容が興味深い分難しいくなったためニッチな映画になり、大きな映画の流通にのることができない外国の映画も見ることができます。
「スパイの妻」はこう言った種類の映画に属します。映画は第二次世界大戦が始まる前、1940年の日本が舞台で、主人公は福原優作と妻の聡子で、フィルムノワールと遠い国への情熱を持つ静かな夫婦です。
優作が世界の中での日本のバランスを変えることになるだろう大きな秘密を持って満州の旅から帰国したところからすべてが変わりました。
映画は この愛するカップルの個人的領域と、この2人と祖国における社会的領域が絶えず交差します。
「裏切り」が本当に意味する事はなんだろう?「スパイ」とは?
まるでギリシャのヒロインであるアンティゴネの現代版であるかように見えます。聡子は投獄されますが、ギリシャのヒロインとは違って、死ぬことはありません、戦争が終わると解放されます。
最後のシーケンスは非常に強いです。プロットは、主人公の運命を知らせるエンドクレジットで分かります。一方映画は、ついに世界やそれぞれ個人が新たな始まりの準備をしている1945年の終戦で終わります。
プロットは、ディレクターが主人公の将来を知らせるクレジットで終わります。映画は、世界がついに新たな始まりの準備をしている1945年の終戦で終わります。
映画はとてもエレガントで、黒沢清監督は、それぞれのキャラクターづけと、それらが動いて行動する空間を非常に巧みに管理していました。
衣装はとても美しく、映像にもとても調和していました。黒沢監督は、銀獅子賞(監督賞)にふさわしい映画を制作しました。この映画には一貫性があり、非常に感情的インパクトの強い映画でした。
この映画の最後に、もし私が聡子だったらどうしてただろう? 自分の愛する夫を裏切っただろうか?それとも国を裏切っただろうか?
と自問自答していました…

もう皆さんはこの映画を見ましたか?それとも見に行きたいですか?
よかったら是非、コメントでお知らせ下さい!
前回のブログ「ヴェネツィア 映画際に関する7つの興味」からの続きでした。よろしかったらこちらもどうぞ!
じゃあ 皆さん、また次のブログで!