Buongiorno ! takaoです。
数ヶ月後に引っ越しをしないといけないので、今から少しずつ断捨離をしていて、とりあえずこれまで溜まって来た古い領収書やインボイスの整理と、捨てられる書類を処理しているのですが、それを見ているとこれまであった色々なことを思い出します。一般的にはあまり悪いことは覚えていない方なのですが、この書類の整理では、正直あまり良いことは思い浮かんできません…
その中で、思い出すと今でも腹が立つ運送会社についての2つを書くことにします。
日本では次の日に着くはずの荷物が1日遅れただけですごい問題になりますが、正直イタリアではそんなことはしょっちゅうあります。郵便でも、イタリアの郵便事情を考えて、毎年12月の初めに日本からクリスマスカードを送ってくれる方がいるのですが、大体私の手元に着くのは1月のPITTI UOMOが終わり、南イタリアの出張から帰った1月半ばに私のところに届きます。
で、以前ある大手の国際運送会社でロンドンにサンプルを送るために集荷をかけました。そんなに急ぎではなかったので、安い便でお願いします、と言って金額もきちんと聞いていました。その日の夕方に集荷に来るはずだったのですが来なかったので、電話をして再度来るように言うと、もうその日は無理なので、次の日に集荷があるとのこと。これでもまあ日本では問題になると思いますが、イタリアでは日常茶飯事。それで次のはちゃんと集荷に来ました。で、問題なく荷物は送り先に届いたのですが、あとから請求を見てみると私が聞いていた金額よりも高く請求されていました。一応ヨーロッパ内ですが、値段がかなり違っていたので、連絡をして聞いてみると。1度目の集荷の時には安い便で送るように言っていても、その集荷に来なかった場合、先にお願いしていた集荷はもう彼ら的には消えていて、集荷が来なかったことを電話した時に再度安い便でお願いします。と言っていなかったのが良くなかったらしく、何も言わない場合は早く着く便の運賃がつくとの事… 最終的に私としては、お願いした日に集荷に来てもらえず、料金も高くついたことになりました。
その会社に電話して交渉したのですが、荷物はとにかく早い便で送られているので、そのままの料金で、と言うことになりました。腹が立ったので初めに言われた金額しか払わないと言って、ほおって置いたら先方の弁護士から手紙が来て最終的に支払うことに…
もう1つの事件、これはかなりひどいです。メーカーや、私のようなセールスエージェントにとってコレクションのサンプルはとても重要です。サンプル自体の価値よりも、そのサンプルがそのシーズンの売り上げを作ることになるので、かなりの価値になります。

何年か前、日本のメンズ数ブランドをPITTI UOMOで紹介し、そのあとミラノでセールスキャンペーンをして、その途中他の国の展示会にも参加していたのですが、その時はロンドンで7月31日と8月1日に2日間の展示会があり、そちらにサンプルを移動させなければいけませんでした。私もイタリアにかなり長いので、いつ何があるかわからないことはよく知っているので、常に何があっても最小限に被害がおさまるように動いています。展示会にはなるべく私が直接サンプルを持っていくようにします。ただこの時はミラノから一人でロンドンにいかないと行けなかったので、私が持てる限りの荷物は自分で持って行くことにし、それ以外は運送会社を使って送ることにしました。展示会には3ブランドが出展だったので、平均的にそれぞれのブランドのサンプルを私が持っていけるようにし、持てないものを送りました。展示会場には展示会の1日前の朝に荷物が届くように言うことだったので、その通り送りました。セッティングはその日の午後からでしたが、会場についたサンプル がその辺に置かれているのが心配だったので、私は朝に会場入りするようにしました。
私はその展示会のまだ初めの頃から出展していたのと、私が販売していたコレクションを展示会のオーガナイザーがとても気に入っていたので、私たちの出展スペースはその展示会の中では一番良い場所を準備してくれました。2度は絶対に来場者が通るようなところだったので、今回はかなり目立つと、一人日本からわざわざロンドンまで来た出展者と話していました。で、昼になり、3時になり、サンプルはまだ着く気配がありません。その間何度かイタリアの運送会社に連絡をしたのですが、先方でもよくわからないとの事、その日はもう10回くらい運送会社に電話しましたが、そのイタリアの運送会社とイギリスサイドの運送会社は直接電話で話すことはできず、メッセージだけで連絡をとり合うような仕組みになっているとの事で、いつまでたってもはっきりした返事がもらえません。それで、荷物は倉庫まで私がとりに行ってもいいから、どこに荷物があるのか教えてくれ、と言っても倉庫もどこかわからず… 私はこういったトラブルは結構慣れているので、決してただ単に聞いただけではなく、絶対に探させるようにしていたのですが、それでもダメ…
その日は残年ながらサンプルは着かず、次の日に。
次の日も早めに会場に行き、イギリスサイドで配達する会社は知っていたので、会場の外でずっとトラックを待つもののいつまで経っても来ず、少しのサンプルはありますが、3ブランド分なので、各ブランドで考えてみるとそれほどの数にはなりません。その日もサンプルは来ず。
2日目、展示会最後の日です。その日も朝早くから会場に行き、サンプルを待っていましたがいつまで経っても荷物は届かず、12時になったので、次の日展示会が終わったあと、誰もいない会場に荷物だけついても困るので、イタリアの運送会社に電話して荷物をミラノに送り返してもらうことに。展示会のためだけに日本から来られたブランドの方には本当に悪いことをしました。
荷物を送り返してミラノに戻ります。大体2、3日で着くはずなので、その間その運送会社にクレームを、直接会社にもおしかけて行きました。当然荷物の送料は、行き帰りも払う気はありません。とりあえず、その場合はおさまり、あとは3ブランドのサンプルが帰ってくるのを待ちます。その間、メーカーの人には何度も連絡を取って謝ります。8月のお盆過ぎにはまた違うブランドの担当者とドイツで落ち合い、車でドイツとベルギー、そしてオランダのお店に営業をする予定にしていました。ロンドンからサンプルを送り返し、4日が経ち、もう着いていないとおかしいのですが、まだサンプルは届かず、それからもまたイタリアの運送会社に毎日何度も電話をすることに。問題点は先ほども書いたように彼らはイギリスの運送会社と直接電話を取り会うことができず、オンライン上でのメッセージでしか連絡が取れないので、いつまで経ってもハッキリしたことがわかりません。もう10日を過ぎた頃からサンプルがなくなったのでは、と心配にもなります。初めに書いたようにサンプルは決してサンプルそのものの価値だけでなく、それがなくなるともうそのシーズンのオーダーが一切取れなくなるのです。それくらいから私もかなりキレ始め、再度運送会社に行こうとしたのですが、その頃は8月でヴァカンスに出ているんです。責任者がヴァカンスから帰ったとの事だったので、もう今日はハッキリしたことが分かるまで受話機を置かないと決めていたのですが、それでもだめ…
そんな日が何日か続き、やっとその荷物がどうなっているかわかった、と連絡が。どうなったと思います?
なんと、荷物をロンドンから送り返したのが8月1日、ヴァカンスで8月1日からロンドンからミラノまでのトラックがすべてストップしているとの事。それでヴァカンスが終わって荷物が戻って来るのが8月26日。ほんと散々な夏でした。8月のお盆過ぎに日本から来る1つのブランドの担当者と一緒にヨーロッパのお店をまわる予定だった件ですが、私が持っている彼のブランドの商品と、彼も日本からあるだけの商品を持ってきてもらい。商品は少し足りませんでしたが。それでヨーロッパを営業してまわることになりました。
そのツアーが終わり、8月26日、サンプルは1ヶ月経ってやっと私の手元に戻ってきました。
何があってもおかしく無いイタリア(ヨーロッパ)。皆さんも、イタリア(ヨーロッパ)と仕事をする時は何が起こっても最低限の被害で抑えられるよう準備して置いた方がいいですよ!
Ciao !